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【新・味いちもんめ】の舞台裏
第17回 今日も食べては書いてます! …Vol.14 思い出のニガウリちりめん
9月の末に、『味いちもんめ〜独立編〜』の単行本第1集が発売されました。ぜひ、書店・コンビニで見かけたら手にとってみてください。…というワケで、今回は、その単行本カバー撮影にまつわるお話です。
文/福田幸江(『新・味いちもんめ』シナリオ執筆者)
ニガウリちりめん

これが100回記念に作っていただいたときの「ニガウリちりめん」。ちりめんじゃ ことニガウリをお出汁で炊いたものです。簡単にいうと京料理の「ちりめん山椒」のニガウリ版といったところでしょうか? じゃことニガウリの相性の良さに ビックリ!な一品。レシピを教えていただいたので、我が家の夏の定番料理になっています。

「赤坂 菊乃井」入り口竹林

赤坂の大通りから少し入ると、ビルとビルの間に丁寧に手入れされた竹林が目に飛び 込んできます。ここが「赤坂 菊乃井」さんへの入り口。覗き込んでも店らしき建物は見えないけれど、その分、どんなお店なのか期待感が膨らみます。石畳を 歩いていくと、そこには京の風雅と風情が味わえる空間が待っていて…。

店前看板
店前の看板。これに灯がともると開店の合図。目立ちすぎず、かといって控えめ過ぎることもなく、素敵な雰囲気を醸し出すお店の目印。
表紙撮影風景
数寄屋造りの落ち着いた店内。そこにセッティングさせていただき、カバー撮影開始。ただ見ているだけの私だったが、かなり緊張…。
長月の八寸
長月の八寸。カバーでは虫籠を外した写真が使われていますが、実際は虫籠を被せた状態で供されます。虫籠だけあって格子の間隔が狭いため、中はあまり見えません。中のお料理を崩さないよう、よく見てゆっくり外すため、料理を目にしたときはかなり感動しました!
 9月末に、新シリーズ『独立編』の単行本、第1集が発売されます。今回は新シリーズということで、デザインを全面リニューアル。『味いち』の単行本とい えば、カバーには「料理写真」ってのが外せないお約束。今回も当然、料理写真が載っているのですが、これがなんと! 京都の老舗料亭「菊乃井」さんに作っ ていただいたものなんです!
 なぜ、こんなすごい展開になったかというと、今まで取材で大変お世話になった料理人さんの見事な料理を、実際にどこかに載せたいよ〜! という話がきっ かけ。せっかく取材させていただいても、漫画誌の性格上、なかなか料理写真を掲載する機会がなく、申し訳ないな〜なんてつねづね思っておりまて…。そんな とき、タイミングよく新シリーズが始まり、現実になったのでした。

 その第1集目になぜ「菊乃井」さんにご登場いただいたのかというと、話は数年前に遡ります。そのころの舞台は東京だったのですが、物語の参考にしていた のは、京都料理の本。その中に「菊乃井」のご主人、村田吉弘さんの著書があり、よく読んでいたのです。料理の基本から哲学まで、すごくわかりやすく書かれ たその著書を繰り返し読んでいるうち、一度お会いしてみたいな〜、と妄想が膨らんできて…。
 ここで千載一遇のチャンスが到来! 『新・味いちもんめ』の連載が始まって、ちょうど100回を迎えようとしていた頃で、当時の担当編集・M井さん(片 手にビールジョッキを持っている人)が、「記念になんかやりましょー! どなたか会いたい料理人さん、いらっしゃいます?」と言ってくださったのです!
 いつもビールばかり飲んでいるのに、やることは早い! あれよあれよと話が進み、京都・高台寺にある本店へと伺うことになったのです。『新・味いち』初 の京都取材ということもあって、かなり緊張したのを覚えています。村田さんは由緒ある料亭内を自ら案内をしてくださり、料理界の裏話から料亭のしつらえに ついてや、器のお話など、たくさんお話ししてくださいました。そして本店の格調高いお料理を個室で楽しませていただきました(飲み物は当然ビール)。

 でも、話はここで終わらないのが、さすがビール好きの大胆なM井さん。100回記念のメッセージをいただき(まあ、これはありがたいお話)、菊乃井さん のお料理2品のレシピの公開を迫り(え…えっ!?)、さらに記念のオリジナルの料理を作ってほしいとリクエスト(む、無謀?)。しかもM井さんの大好物の ニガウリ(沖縄の食材じゃん!)を使ってほしい!! …と(失礼では…!?)!! すごいぞM井さん…(すごいのか?)。
 心の広い村田さんは、すべてを快く引き受けてくださいました。が、それだけではありませんでした。なんと、菊乃井さんの物販店(東京・玉川高島屋)にお いて、オリジナル料理「ニガウリちりめん」を100回記念に合わせ、期間限定で置いてくださったのですっっっ! その節はお世話になりました!
 そういったこともあって、第1巻目のカバーをお願いするに至ったわけですが、村田さんはまたしても快く了承してくださいました。
 そして私もカバーの撮影現場へ行かせていただくことに! 現場は2004年に開店した「赤坂 菊乃井」さんへ。東京で菊乃井さんのお料理が楽しめる落ち 着いた店内で、撮影させていただきました。お料理は発売の季節に合わせてくださり、神無月の八寸を作ってくださいました。
 小さな虫籠を外すと、秋の食材がたくさん盛り込まれています。「秋はどんどん深まっていき、盛んに泣いていた鈴虫も、だんだん少なくなって、いつの間に かいなくなってしまう。秋のセンチメンタルな気分を『虫供養』という趣向で表現した」(『菊乃井 風花雪月』/講談社インターナショナル刊より)お料理だ そうです。
 書店へお出かけの際は、ぜひ『味いちもんめ〜独立編〜』単行本をお手にとってご覧くださいませ!