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【新・味いちもんめ】の舞台裏
第35回 今日も食べては書いてます! …Vol.32 ホタル狩り
『味いちもんめ』の登場人物が持つ感性は、作画をする倉田よしみ氏の感性でもあり、もちろんシナリオの福田氏の感性でもあります。福田氏の今回の旅が、伊橋くんの未来にどのような風を吹き入れるのか…楽しみですね!
文/福田幸江(『味いちもんめ〜独立編』シナリオ執筆者)

JR身延線の下部温泉駅。単線で車両は1つ。どこか懐かしい駅でした。

山間にある下部温泉は静かでのんびりとした雰囲気。温泉街を流れる川には黄金のヤマメが生息しているとか。

国道沿いの食堂でいただいた山梨名物ほうとう。名物はシッカリチェック!

JAの農産物直売所に立ち寄ったらサクランボ狩りの案内所があったので、速攻申し込み、40分食べ放題の農園へ。サクランボ狩りは初めてだったので、食べるのに夢中になり過ぎて品種を聞くことをスッカリ忘れる…。

ゴールドラッシュという品種名にひかれ、トウモロコシを箱買い。その他、マタケ、長いも、ニンニク、ブルーベリー、ブドウ液、ほうとう、サクランボ、干しブドウ、ジャム、信玄餅などなど。家族にバカと言われる。

 機会あるごとに板前さんにお話をうかがっているのですが、ある板前さんが「美味しい料理を作るのは当然。でも、ただ美味しいものだけではダメなんです」とおっしゃったことがありました。
 それは昔に比べ、最近はお客さん側の知識や味覚の範囲が広くなっていて、昔のように当たり前の料理だけでは通用しなくなってきているということでした。
 少しずつでも新しい何かを取り入れて料理に広がりを持たせていく・・・。そのためには、料理以外のことも勉強し、感性を磨かなければならないそうです。

 感性とは、何かを見たり聞いたりしたことを直感的に何かに結びつけたり、意味を見出す能力のことで、辞書には「物事に感じる能力。感受性。感覚」とあります。
 しかし、感覚というだけあって、ほとんど無自覚、無意識な反応なわけです。それを磨くとなると、かなり見聞を広め、鍛練しなければなりません。
 華道、書画、骨董、に造詣が深い料理人さんがいらっしゃるのもなるほどと頷けます。最近耳にしたのですが、写真やガーデニング、トレッキングなど、一見無関係に見える趣味からも創造力を膨らませ、感性を高めている方もいらっしゃるそうです。

 と、前置きが長くなりましたが、自分も板前さんに倣い、感性を磨かなければと思い立ち、無関係な事柄からインスピレーションを得るべく、初夏の風物詩「ホタル狩り」へと行って参りました。(言い訳がましいですが…)
 目的地は東京から2時間半ほどの山梨県の山間にある下部(しもべ)温泉。信玄の隠し湯と呼ばれ、傷を癒す効果があると古くから親しまれているそう。そしてホタルの保護活動に力を注いでいるらしく、6月になるとホタルの乱舞が見られるというのです。

 そして夜、ついに念願のゲンジホタルの乱舞を目にしました。
 ゲンジボタルは日本のホタルの中で一番大きく、ヘイケボタルより明るく強い光を放つそうで、ゆっくりと目の前を飛び舞う光は圧倒されるほど幻想的。料理人さんなら、この光景からヒントを得て、新しい料理を生み出したり、素敵な趣向を思いつくのかな、などと考えつつ、しばしボーッとしてしまいました。
 ホタルの乱舞を見て感性が磨かれたかどうかは定かではありませんが、里山の風景に癒され、のんびりした時間の中で物語の展開や登場人物たちの考え方、生き方などをゆっくり考えることができました。結果はすぐには出ないと思いますが、何かが蓄積されたような気がします。

 と言いつつ、翌日の帰路では普段の自分に逆戻り。「農産物直売所」を見つける度に立ち寄り、野菜だの果物だのを買い求め、挙句サクランボ狩りまで…。この食い意地だけは、悲しいかな、なんともなりません…。