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【新・味いちもんめ】の舞台裏
第64回 今日も食べては書いてます! …Vol.61 梅干し
食べ物の味で“あの時代や場所”を、“誰か”を思い出し、ある場所や誰かから“あの味”を思い出す。味には思わず知らず時間を超えさせる力がありますが、時に何十年と日持ちのする梅干しという食べ物は、それを見事に体現しているとも言えます。果たして、福田家に伝わる「家宝」の味とは…?
文/福田幸江(『味いちもんめ〜独立編』シナリオ執筆者)
夏バテで集中力も激減してるってのに、ヒマなグダグダネコが「やる気ダウン光線」をピルピル出して仕事の邪魔をしやがる。「来世はネコに!!」と、真剣に思う。
家宝その1、あべ先生宅の梅干し。4〜5年前にいただいたもの。塩分20%程度の昔ながらのしょっぱい梅干しはカビないとか。ちなみに塩分30%で漬けると100年くらいは腐らないそう。
家宝その2、A氏宅の梅干し。実家の敷地で採れる梅と赤紫蘇を使っているとか。丁寧に漬けているんでしょうね、美しい仕上がり!! 来年は甕で…(笑)。いや、来年こそは梅干し作りに挑戦だっ!!
単行本第5集のカバー撮影風景をチラっと…。
鱧と松茸の小鍋立てに入っている水菜。鍋の中でバラバラにならないよう、細く切った水菜の茎で結んでいます。こういった細やかな心配りは日本料理ならでは。
 あまりにも厳しい残暑にうんざり…。
 取り柄(?)の食欲も落ちてきて、毎日欠かさなかったアルコールにも手が伸びず…、なんて日々が続いていました(ま、弱った肝臓を休めるいい機会ではありましたが)。
 で、ふと思い出したのが梅干し。このところ毎日食べているのですが、プラシーボ効果も手伝って(?)調子が上がってきた様子。恐るべし梅のチカラです。

 どちらかというと酸っぱいモノが苦手だったんですが、数年前に梅干しにまつわることが書かれた『宿福の梅ばなし/乗松祥子 著』という本を読んだのがきっかけで、梅干しが大好きになっちゃいまして…。本によると、クエン酸濃度の高い昔ながらの酸っぱい梅干しは、疲労回復や健康維持に効果があるのだとか。最近では梅の栄養分が凝縮された梅エキスが、肝機能を高めることもわかってきたようです。日本の伝統食ってすごいですなぁ〜。

 でも、この頃は健康志向からか、塩分控えめのものが主流のようで、昔ながらの酸っぱくてしょっぱい梅干しはお取り寄せするか、デパートでないと手に入らなくなってしまいました。

 ちなみに我が家には「家宝」と呼んでいる昔ながらの梅干しがあります。これは毎年春に行われる「あべ善太先生を偲ぶ会」でいただいた、あべ先生のお母様手作り品! ご自宅の敷地にある梅を使っているそうで、酸っぱくてしょっぱくて、とても美味しいものです。そして亡くなった自分の祖母を思い出したりもして、郷愁にかられる味といいますか、もったいなくて食べられず大事に保管しています。

 自分にとって自家製の梅干しや漬物はもはや貴重品! 梅が出回る時期に「今年は漬けてみるか…」と思うものの、梅干し作りはとくに手間と時間がかかる大変な仕事ですし、漬物は長年の経験で培った勘も必要です。なので、こういった漬物をいただけるなんて本当にありがたいことです。

 てな話をちょいと前に仲良しの(てか飲み友だち?)編集Aご夫妻に話したところ、奥方が『宿福の梅…』を知っていて話が弾み、ダンナ氏が「んじゃ、実家の母が漬けた、すんごく酸っぱくてしょっぱいヤツを…」と、梅干しを分けてくださったのです!!

 これが見事な仕事っぷりで、まるで絵の具で色を付けたかのように真っ赤っか!! 赤紫蘇をたっぷり使っているんでしょうね、種まで見事に真っ赤っかです。果皮もやわらかく、塩もカドが取れていて美味い!! せっかくなのでちょいと贅沢して佐賀県の早場米「新米・七夕こしひかり」をお取り寄せして一緒にいただきました。美味かった〜!!

 そして今、こういった「温故知新、郷愁」的なお話を構想中。芸者さん話同様、いつになるか分かりませんが(汗)、機会がありましたら書かせていただこうと思っています。

 最後にちょいと宣伝を…。
9月末〜10月始め頃、単行本第5集が発売される予定です。表紙カバーの料理写真は「神楽坂 一文字」の廣瀬さんに作っていただきました。秋発売ということで、お料理は「出会いもの」の鱧と松茸の小鍋立てです。お料理はもちろんですが、器も素敵ですので、ご覧いただければ嬉しいです。