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【新・味いちもんめ】の舞台裏
第75回 今日も食べては書いてます! …Vol.72 福井名物いろいろあれど…
世の中に たえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし…と在原業平の歌にありますが、福田氏の場合は「たえて郷土料理のなかりせば」ということになるかもしれません。郷土料理追究の巻、今回は北陸・福井県です。
文/福田幸江(『味いちもんめ〜独立編』シナリオ執筆者)
保存料も冷蔵設備もなかった時代、夏場の水ようかんは日持ちしなかったため、冬に食べる習慣になったとか。現代でも昔ながらに保存料を一切使わず作っているそう。
ツルっと食べられるほど柔らかく、舌触りもなめらか。そう言えば都内でこういった水ようかんに出会ったこと ないな〜。と言っても滅多に食べないからなんですが…。
さばのへしこは、そのまま刺身にしても焼いても美味!本当は「へしこ」を漬けてみようかと思ったのですが、仕込みから食べられるまでに1〜2年かかることが判明したため、今回は断念。紹介する前にコラムの連載が終わっちゃいますから…。
大好物の1804年創業の福井県の老舗、天たつの汐うに。自分は生うにより塩うに派♪ 水分を取るだけとってい るからか、ねっとりとして濃厚な味。製品100gを作るのに、100個のウニを使うのだそう。写真の製品は25g入り。ぜ、ぜいたくだ…!!
味いちレシピの塩ウニ作りに使った生ウニ。出来上がったら自分が食べるため、とりあえず国産ものをチョイス。 これまたぜいたく!! ちなみに作った塩ウニは塩の量が少なかったため、思うように水分が出ず時間切れ。天たつ風にはなりませんでした。でも、美味かった〜。
 前々回、福井の物産展に行ってみよう…と書きましたが、行ってきましたよ〜開催されていた都内のデパートへ!! まずはそのご報告から。

 広い催事場には福井を代表する名店がずらり。よく目の色が変わるって言いますが、催事場に入ったとた、まさに目の色変えて隅から隅まで探索。海産物はもちろん、弁当やお酒、梅干しに味噌、もちろんスイーツまで豪華な品揃えでした。
 
 その中で、思わず足を止めて見入ってしまったのが越前ガニ。すごく大きく立派で一瞬買ってしまおうかと思ったほど。が、しかし! やっぱりいいお値段で、安い ものでも一杯1万数千円…。これを買ってしまうと、他のものが買えなくなるので断念することに。

 それでいろいろ悩んだ結果、塩ウニ、へしこ、越前味噌を購入。ここでハタと気づいた私。買ったものはみんな塩辛いものばかりで偏ってるな〜と。

 そこでスイーツをと、水ようかん売り場へ。販売員の方のお話によると、福井では水ようかんは冬に食べるものと決まっていて、「丁稚ようかん」に由来するものな んだとか。しかも水ようかん売り場は黒山の人だかり。宣伝文句にはTV番組の「秘密のケンミンSHOW」で紹介されたと書かれていました。ミーハーな私は、そん なに有名ならば買わずばなるまいと、勇気を出して(?)1つ購入。

 でもこれが実に美味かった! 甘さ控えめで黒糖と寒天の香りが薄っすら香り、とっても上品なお味。ようかんと言うより寒天寄せに近い感じで、さっぱりと食べら れるのです。甘いものが苦手な私がツルっと4切れも食べてしまったほど。チャレンジして良かった〜。

 で、気になったので「丁稚ようかん」なるものを調べてみることに。

 近畿地方出身の方ならご存知かもしれませんが、竹皮に包まれた蒸しようかんで、京都、明石、神戸などで売っているそうです。また、名前は同じ丁稚ようかんでも 福井、奈良、三重などでは水ようかんのことを言うのだとか。

 名前の由来も諸説あり、
@気軽に食べられて丁稚でも買えるほど安いため、その名がついた。
A丁稚奉公に出ていた人が帰郷の際、値段が高い練りようかんの代わりに手土産にしたから。
B餡を練り上げることを「でっちる」と呼んだことから。
C小豆を柔らかくゆでたときの「出汁(でじる)」の転訛。
D上記のBCの意味が重なって「でっち」となった。
などがありました。

 それで起源は…と再度調べてみると「ようかん」の歴史はこれまた古く、ようかんを漢字で書くと羊羹となりますが、中国料理のヒツジ肉の羹(あつもの=餡かけ) が始まりだそうです。それを鎌倉時代に禅僧が中国から持ち帰り、時代を経て甘味となっていきます。長くなるのでこの辺でやめておきますが、砂糖が貴重品だった時 代、小豆と砂糖たっぷりの練りようかんは豊臣家や徳川家の御用菓子となるほどの贅沢品。その中で小豆や砂糖の量を減らした安価な羊羹が作られ、庶民の手に届くよ うになっていったそうです。丁稚ようかんの起源の一説に「江戸中期の文政年間に明石の藤江屋寅吉が創作した」というのがあったので、いずれにせよ、歴史のある食べ物であることには違いありません。

 郷土料理を調べていると料理の歴史がいろいろ分かり、時間を忘れてしまうほど楽しくて仕方ありません。ようかんの歴史もとても面白く興味深かったので、味レシピは「水ようかん」にしようかと思っていました。しかし、やはりそこは酒飲みの性。超個人的な嗜好で「塩ウニとへしこ」となってしまいました。
 どこかで郷土料理「甘味編」をやりたいと思ってはいます。甘党の皆様、いましばらくお待ちください。きっといつか、そのうちに…。たぶん…。