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【新・味いちもんめ】の舞台裏
第121回 今日も食べては書いてます! …Vol.118 『ひょんなことから』
インターネットで何でも簡単に検索できる時代になっても、当たり前ですが、知らないことは多いもの。今回福田氏は、ふと出てきた「ナゾ」の植物の写真をきっかけに、知のラビリンスに迷いこんだようで...。
文/福田幸江(『味いちもんめ〜独立編』シナリオ執筆者)
ナゾの植物の正体は日本古来からあるムベでした。秋に熟すというので、今年の秋にはどこかで手に入れ、食べてみたいと思います。
旅先で買ったアケビ。自生しているもののようですが、熟しすぎたのかなんなのか、果皮の色が茶色くなりすぎて品種は分かりません。
 いずれ資料になるからと、撮るだけ撮った写真を一気に整理しました。まあ時間がかかったこと! 昔読んだまんが『サザエさん』に、年末の大掃除中に出てきた古新聞を読みふけるサザエさん(波平さんかも?)というのがありましたが、まさにそれ状態。その時の状況を思い出したり、出てきた料理や食材の蘊蓄を辞典やネットで調べ始めたり、整理どころではありませんでした。

 そのきっかけとなったのが写真にもあります「ナゾ」の植物。写真の日付をみると去年の晩夏。どこで何のために撮ったのか、なかなか思い出せませんでしたが、息子に見せるとすぐに判明。学校の宿題で町の観察記みたいなのがあって、近所をぐるぐる回って公園で見つけ、写真を撮ったのです。そういえば名前だけはネットで調べたっけ〜と思い出しました。その名もすっかり忘れていたのですが若い息子は覚えていて「ムベ」という植物だと教えてくれました。
 そこで好奇心がむくむく。食材図鑑やら料理辞典、ネットで調べてみると…。

むべ【郁子,野木瓜】
アケビ科の常緑つる性の低木。別名トキワアケビ。関東以南の山地に自生するが、鑑賞用にも栽植される。暗紫色でアケビに似た果実を結び、食用となる。

なぬ? 食用とな!?
「食べられる」という言葉に普段は出ない集中力がフルパワーに!!

 ネットで検索すると「実の中の種子についたネットリとした果肉を食べる」とありました。味は「上品な甘さ」だそうで、九州地方では売っている地域もあるのだとか。さらに残った果皮は味噌炒めにして食べる人もいるようです。う〜ん全く知らんかった!! そうか、そうかなるほどね〜、感心しつつも新しい発見になんだかテンショ ンも急上昇。
 そういえば近縁のアケビは、日本料理で時折出て来るよな…、ン十年前に旅先で自生種を買ったような…と思い出すと、矛先は「アケビ」へ!

あけび【木通,通草】
つる性の落葉低木で山野に自生。果肉が甘く食用となる。本州以南、朝鮮半島、および中国に広く分布。秋に果肉が熟し、開裂して半透明の果肉が現れる。熟したものは甘味が強く美味。若芽や果皮はさっと茹で、ゴマ和え、クルミ和えなどにする。炒めものにしてもよい。

 さらに調べてみると山野に自生しているアケビやムベは日本在来の植物のようで、古くはムベが乾燥果実として平安時代の書物『延喜式』に登場していました。古い歴史を持つアケビやムベですが、現代でもアケビ料理は山形県などで郷土料理として残っており、自生種を選抜育成した栽培品種も出回っています。

 昨年末のコラムにも書きましたが、仕事上(半分趣味かも…(笑))、日本の食文化について調べてみると、本当に面白い発見があります。
 簡単にいうと、日本古来のものもありますが、野菜などの場合中国やポルトガルなどとの交易で入ってきた種子が人々の往来や参勤交代などで時間をかけて全国に伝播し、自生種と交雑したり、その土地の風土、慣習にあわせて選抜育成され、地域特有の品種が出来上がっていきます。そしてその食材に土地の名前がつき、その特性に合わせた料理法が生まれていく…。
 交通網の発達で物流がよくなった現代では、全国どこにいても物は届くし、珍しい食べ物も食べられます。さらにインターネットのおかげで瞬時に様々な情報がキャッチできるようになりました。
 でも、まだまだ知られていないものもあるはずです。知られているものでも、実際に触れてみたいし、それを守り続けている人たちに直接お話をうかがってみたいと思っています。

 ちなみに今回の物語では加賀野菜の源助大根が登場します。加賀野菜のガイドブックによると…。

 金沢市打木町の篤農家・松本佐一郎氏が、昭和7年に愛知県の井上源助氏から早生種で生育の旺盛なものを譲り 受け、在来の練馬系打木だいこんと自然交雑させたものを毎年選抜し続け、昭和17年に完成させる。

 とあり、きめが細かく柔らかいのに、煮崩れしにくい大根らしい大根だそうです。

 平たくいうとこれからのテーマは「温故知新」かな…と。伊橋くん…というより、自分の引き出しをどんどん増やして行こうと思っています。