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Vol.8  奈良茶飯(奈良)
今回ご紹介するのは、奈良県の歴史ある郷土料理『奈良茶飯』と『奈良茶粥』です。この『奈良茶飯』、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に登場したことから、江戸時代には東海道の川崎宿(神奈川県)の名物になったそうでして。この料理の誕生から、変遷していった経緯は…?

奈良茶飯に使う大豆は市販の炒り大豆(鬼打ち豆)が香ばしくて美味しくなります。それが手に入らない場合は下茹でしてある缶詰や水煮のものを使いましょう。その場合も薄皮を取ってください。

興福寺や東大寺といった
名刹で食されたのが起源
 今回は、恥ずかしながらこれまで筆者が一度も食べたことがなく、その存在すら知らなかった奈良県の郷土料理、米に炒り大豆を加えて、茶で炊き上げた『奈良茶飯(別名・奈良茶)』です。井原西鶴が著した『西鶴置土産』によると、明暦の大火(1657年)の後、浅草金龍寺山門前の茶店で奈良茶(当時は茶飯と豆腐汁、煮しめのセット)が出されるようになり、大変人気を呼んだとあります。さらにその後には、東海道の川崎宿の名物料理になったのだそうです。
 また、江戸初期刊行の『本朝食鑑』には、奈良の東大寺や興福寺の僧舎で作られたのが始まりとあり、「薄く煎じた茶と塩で米を炊き、炒り大豆などを混ぜ合わせ、濃く煎じた茶をかけていただく」お茶漬けのようなものが始まりとされています。それがなぜ、炊き込んだ「茶飯」に…?
 奈良にはもう一つの『奈良茶』が存在します。それが『奈良茶粥(別名・大和粥)』です。時に小豆やささげ(マメ科の植物)等を加えて味の変化を楽しんだり、さつまいも等を入れて腹もちをよくしたりと工夫され、現代でも親しまれています。諸説ありますが、「茶粥」も元を辿れば「茶飯」と同時期にすでに食されており、当時の農民たちが、年貢を出した後に米の節約も兼ねて粥にしたという背景があるようです。
 その「茶漬け」や「茶粥」が、料理屋さんでお客さんに供されていく過程で、炊き込んだ「茶飯」に変わっていったのではないでしょうか。

[レシピ〜recipe〜] 奈良茶飯/奈良茶粥

【奈良茶飯(4人分)】

(材料)
●米…2合
●炒り大豆…1/2カップ
●ほうじ茶…5〜10g
●湯…2と1/2カップ
●酒…小さじ1
●醤油…小さじ1
●塩…小さじ1/2
   
(作り方)
①…米を洗い、ザルに上げておく。
②…炒り大豆は薄皮をとっておく。
③…ほうじ茶を適量の湯で香りよく入れて冷ましておく。
④…炊飯器に@の米、Aの大豆、Bのほうじ茶、酒、醤油、塩を入れて混ぜ、炊飯する。を加え、砂糖、酒、塩、薄口醤油で味をつけ、3分ほどさらに煮込んで火を止め、冷ましておく。
⑤…炊きあがったら数分蒸らし、さっくりと混ぜて茶碗に盛る。
 

【奈良茶粥(2人分)】

 
(材料)
●米…1/2合
●水…3カップ
●ほうじ茶…5〜10g
 
   
(作り方)
①…米を洗い、ザルに上げておく。
②…鍋に水を入れ火にかける。
③…麦茶やかつお節などを煮出すときに使うお茶パックにほうじ茶を入れ、沸騰したAに加えて、お茶の色が十分に出るまで煮出す。
④…ほうじ茶のパックを取り出し、@の米を加え、軽く混ぜ合わせる。再度沸騰したら、吹きこぼれないように少しずらしてフタをする。中火で約20分ほど加熱し、ときどきアクをすくい取る。
⑤…炊きあがったらピッチリフタをして火を止め、3〜4分蒸らして器に盛り付ける。
 
『奈良茶飯』は江戸時代の料理本『料理塩梅集』(1668年)の作り方を参考に炊飯器で作ってみました。「大豆は乾燥大豆を炒り、薄皮を取ったものを使う」とあるのですが、今回は市販の炒り大豆(節分で使う鬼打ち豆)を使っています。奈良茶粥は水分が多くサラサラなのが身上。ぼてっと固くなったら、加減をみてほうじ茶を注ぎます。また、生米で作ったほうが美味しいのですが、時間がかかるので冷やご飯で作ってもいいでしょう。